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観光産業のプロフェッショナル
/京王電鉄/業界歴11年目
/帝国ホテル/業界歴7年目
/コングレ/業界歴15年目

大学生
井出さん/畠山さん/津金(つがね)さん/田村さん
観光業界のリアルと未来に迫る! 鉄道、ホテル、MICEという異なる分野の第一線で活躍するプロフェッショナルと、観光業界を目指す学生たちが本音で語り合いました。
仕事のやりがいや働き方の実情はもちろん、「10年後の観光産業」や「観光産業での持続可能なビジネスモデル」といった未来の展望にも切り込みます。業界の多角的な魅力を発見し、自身のキャリアを考えるヒントが満載です!

2015年、京王電鉄に入社。
「現場での実習を経て海外戦略部(※2016年当時)という部署で主に京王グループのインバウンド事業の拡大に携わってきました。現在は鉄道営業部という部署で、既存の収入源や役割にとらわれず、鉄道の新しい収入モデルを企画し、実行する業務を担当しています。例えば、従来は駅において業務用に使用していた場所を活用して収益確保につなげる取り組みや、京王ならではの広告媒体を用意し、京王グループ各社と一体となって、広告収入の拡大を図るなどの施策を展開しています。
この仕事の魅力は、扱えるリソースの豊富さです。駅、電車、そして多くの社員といった資産を、世の中のニーズやトレンドと掛け合わせることで、新たな価値を生み出せる可能性があります。
この「掛け算の無限性」に、大きな面白さを感じています。」

2019年、帝国ホテルに入社。
「総合コースとして入社し、接客、営業を経て、現在は人事の仕事を担当しています。
今の人事の仕事では、自分が心から魅力を感じている、帝国ホテルの素晴らしさを学生の皆さんにお伝えすることができています。そして、帝国ホテルに魅力を感じて入社した方々が、実際に生き生きと働いている姿を見られることが、この仕事の魅力です。」

2011年、コングレに入社。
「おもに、国際会議や大型学術集会といったコンベンションの企画運営業務を担当しています。
MICE(マイス)と呼ばれるビジネスイベント運営の仕事は、主催者、参加者、そして開催地、関わるすべての人々にとって有益なものです。主催者は思い描いたイベントを実現でき、参加者は新たな知識や交流の機会を得ることができます。さらに、開催地には経済的な効果がもたらされます。このように、誰も損をしない仕組みの中で社会に貢献できることは、この仕事の大きな魅力です。」
観光業界を目指した理由
皆様が、「観光業界」で働きたいと思った理由は何ですか?
正直なところ、「『観光業界』で働きたい」と考えて鉄道会社を選んだわけではありませんでした。ですが、日常の移動手段として利用される鉄道をはじめ、日々の買い物に使うスーパーマーケット、週末の買い物で使う百貨店やショッピングセンターなど、京王グループ全体で人々のあらゆる生活シーンに対して多面的に接点を持っていることに魅力を感じ、入社することを決めました。その多面的な接点の一つに「観光」もあるのかなと考えています。
学生時代は「観光=旅行」というイメージを持っていました。ですが、実際には旅行一つをとっても、飲食や宿泊だけでなく、そこに至るまでの様々な業界の人が関わっていることを知りました。そして観光産業の裾野の広さや、業界の将来性に魅力を感じ、観光業界に興味を持ちました。
また就職活動中は、”世界と繋がりをもてる仕事”、”自分の仕事に誇りを持てる仕事”を軸に企業選びを行っていました。そして「国際会議コーディネーター」という仕事を見つけ、歴史的な会議に関わる仕事がしたいと思い、コンベンション業界のなかでトップ企業であるコングレへの入社を決めました。
私も当初は観光業界を、接客業という限られた視点でしか見ていませんでした。元々話すことは好きだったため、営業の仕事を中心に企業探しをしている中で、たまたま出会ったのが、接客だけでなく営業の仕事もできる帝国ホテルです。
帝国ホテルの「伝統と革新」という姿勢や、国際社会の発展に貢献するという企業理念を知り、入社を決めました。
実は私も「観光=旅行」というイメージがまだあるので、本日のディスカッションを通じて、観光業界の実情を深く学びたいと思います!

働く環境
皆様が、勤めていらっしゃる職場の「働く環境」について詳しく教えてください。
帝国ホテルは格式高いイメージがあるかと思いますが、非常にフレンドリーな職場です。スタッフは皆、人と関わることが好きで、お互いを尊重しながら働いています。
また、当ホテルには「100-1=0」という「おもてなしの数式」があります。これは、たとえ多くのサービスにご満足いただけたとしても、たった一つでも不満な点があれば、お客様にとっての評価はゼロになってしまう、という考え方です。この数式のもと、スタッフ一人ひとりが自身の仕事に責任を持ち、全員で100点満点のサービスを創り上げるという、強いチームワークが育まれる環境だと感じています。
観光業界は土日や年末年始も働くイメージが強いかもしれませんが、当社では、比較的カレンダー通りの勤務が多いです。
もちろん、部署によってはシフト制で現場に出ることもありますが、在宅勤務や時差出勤も柔軟に取り入れられています。
また、仕事はチームで共有して進めるため、子どもの行事などで休みを取る際も、お互いに協力しやすく、非常に働きやすい環境だと感じています。
私の会社でも在宅勤務やフレックスタイム制度が導入されるなど、年々働きやすくなっています。実は、私も1年前に育児休業を取得していました。社員一人ひとりが仕事と家庭のバランスを意識しながら、お互いに助け合う文化が会社に根付いていますね。
環境面では、チームワークが非常に重要視されています。例えば、現在所属する鉄道営業部では、鉄道の現場でダイヤ乱れなどのトラブルが起こると、担当業務に関わらず、全員が一丸となって定時運行に戻すために尽力します。
また、京王グループには鉄道だけでなく不動産開発など多様な事業があり、同期や先輩後輩にも全く異なる分野で働く仲間がいます。彼らとの交流を通じて、自身の知識の幅が広がる楽しさもあります。
働きやすい環境になっているんですね。観光業界のイメージが変わりました!
ホテル業界、特にサービス職は「きつい」というイメージがありますが、近年の働き方改革で改善された点はありますか?
実は、帝国ホテルはホテル業界で初めて週休2日制を導入した会社です。業界のリーディングカンパニーとして、スタッフが働きやすい環境を整えることも、私たちの使命の一つだと考えています。
泊まり勤務の後には2日間の休みを設けるなど、無理のないスケジュール管理を徹底しており、安心して働ける環境だと考えています。
週休2日制を帝国ホテル様が初めて導入したこと、初めて知りました…。ホテル業界のリアルを知ることができて、勉強になりました!
加藤さんのMICE事業では出張が多いとのことですが、出張する社員へのサポートについて教えてください。特に、週末に出張した場合の休日取得など、働き方の面でのサポートについて知りたいです。
出張のサポートとしては、もちろん宿泊費や交通費は会社が負担し、出張日当(手当)も支給されます。土日に出張した場合は、翌週などに代休を取得することが可能です。また、出張先での滞在を個人的に延長して、現地の観光を楽しむ社員も多くいます。これは社員のモチベーションにもなりますし、その地域の魅力を深く知る機会にもなるため、会社としても柔軟に対応しています。
色々な場所に行くことが好きな人は出張なども楽しめそうですね!
印象に残っているエピソード
皆様が、お仕事をされる中で直面した課題と、それをどのように乗り越えたかについてのエピソードを教えてください。
MICE業界でよく直面する課題は、大規模なイベントに対応できる会場が地方に少ないことです。例えば、1万人規模の会議を北海道で開催したいという要望があっても、適切な会場が見つからないことがあります。
この課題を乗り越えるために、ライブ配信やオンデマンド配信といった技術を積極的に活用しています。メイン会場に入りきらない参加者向けに、別の場所に中継会場を設けたり、後日オンラインで視聴できるようにしたりすることで、物理的な制約を超えて多くの方に参加していただけるようになりました。これにより、以前は開催が難しかった都市でも、今ではイベントが実施可能になっています。
海外戦略部在籍時に、新型コロナウイルスの影響でインバウンド事業が著しく失速してしまった経験があります。まさに手詰まりの状況でしたが、「今できることは何か」を考え、発想を転換しました。もともとインバウンド事業で築いていた地方とのつながりを活かし、高速バスのトランクを利用して、現地の新鮮な野菜や魚を東京に運び、グループのスーパーで販売するという新しい事業を拡大しました。
与えられた環境の中で最大限の価値を生み出そうと試行錯誤し、困難な状況を乗り越えることができたため、貴重な経験を得ることができましたね!
とても勉強になりました。私も困難に直面した時は、諦めることなく、考え、行動することを大切にします!
高速バスでの野菜輸送やオンデマンド配信など、ユニークで柔軟なアイデアはどのようにして生まれるのでしょうか?日々意識していることがあれば教えてください!
普段の生活の中で、例えばショッピングセンターを訪れた際に、「自分がここの責任者だったらどうするか」という当事者の視点で物事を見るようにしています。また、新聞などを通じて、自社とは全く異なる業界の取り組みにもアンテナを張り、自分の仕事に応用できないかを常に考えています。
こうした日々のインプットとシミュレーションの繰り返しの中から、新しいアイデアが生まれてくると感じています。
人との対話の中からアイデアが生まれることが多いです。お客様との打ち合わせや、社内でのディスカッションを通じて、意見を交わし、深掘りしていく過程で、新たな発想が湧いてきます。
最近は生成AIなども活用していますが、AIは既存のデータに基づく回答が中心です。全く新しいものを生み出すためには、やはり人間同士のコミュニケーションが不可欠だと考えています。
普段の生活で「自分だったらどうするか」と、シミュレーションすることがあまりなかったので、これからはインプットやシミュレーションなどを考えながら生活していきたいと思います!

10年後の観光産業
皆様が思う「10年後の観光産業」について教えてください。
正確な予測は難しいですが、AIやIoTの進化が人手不足を補う一方で、人ならではの「温かみ」や「おもてなし」の価値がより一層高まると考えています。その結果、効率性を追求した安価な旅と、質の高い体験を提供する高付加価値な旅への二極化が進むのではないでしょうか。
世界的に見れば、旅行を楽しむことができる人々は増え続けるため、観光市場全体は成長していくと考えています。しかし、国内に目を向けると、旅行が一部の富裕層しか楽しめない「贅沢品」になりつつあることに危機感を覚えています。円安や物価高の影響で、特に若者にとって旅行のハードルは非常に高くなっていると思います。
私は、「観光」というものの捉え方が、より日常と融合したものになっていくと良いなと考えています。例えば、当社の沿線にある調布エリアは、元々観光地というよりかは住宅地のイメージが強い場所でしたが、最近では深大寺周辺などの風情ある街並みが注目され、若い方々が訪れるようになりました。
このように、私たちの身近な日常の中にも、まだ光が当たっていない観光資源がたくさん眠っています。特別な場所へ行くことだけが観光ではなく、日々の生活の延長線上で楽しめるような、もっと身近で多様な観光の形が広がっていくことを期待しています。
未来の観光業界について、これほど貴重な意見をいただける機会はなかったので、とても勉強になりました!
塩嶋さんに質問なのですが、10年後の高付加価値な旅において、ホテル業務の中で、人とAIはどのように役割分担していくとお考えでしょうか?
やはり「おもてなし」といった部分は、AIが担うことは出来ないと考えています。高付加価値の旅においては、お客様にとって「人から得られる体験」という部分は、これからも絶対に守っていかなければいけないところです。
ではその上で、AIをどう取り入れていくかですが、これは人がやるよりも効率的なところに活用していくことになると思います。
例えば、レストランのお席の振り分けです。今は経験豊富なスタッフが、「このお客様方はあと何分くらいで席を立たれるから、次の4名席はここに残しておこう」というように、経験に基づいて采配していますが、お客様のデータやご注文内容をAIに落とし込むことで、より効率的で効果的な座席の采配ができるようになるかもしれません。
このように、よりお客様へのサービスに時間を費やすためにも、人がやらなくても済む仕事をAIに任せていく、というのが一つのやり方なのかなと感じております。
なるほど、人とAIの役割分担をより効率的にすることで、お客様に対するサービスのクオリティも上げることができるんですね…。
インバウンドが急成長している中で、10年後もその伸びは続いていると思いますか?
正直なところ、10年後どうなっているかは予測が難しいです。コロナ禍のように、誰も想像していなかった事態が起こる可能性もありますから。
ただ、目指したい姿としては、国籍を問わず、より多くの人々に来てほしいと考えています。インバウンドのお客様に来ていただくことはもちろん嬉しいですが、日本人の方々にも、私たちの沿線の新しい魅力を見つけて訪れてほしいですね。
そのためには、様々な施策やプロモーションを通じて、まずは「来ていただく」ためのきっかけ作りを続けていくことが重要だと考えています。
感覚的なところはありますが、10年くらいはまだ伸びていくのではないでしょうか。しかし、長期的にはどこかで落ち着くと見ています。
現在のブームは、日本の「物珍しさ」に惹かれている面が大きいと感じます。今後、それが一般的になってしまうと、「今更日本に行っても…」となり、流行が別の国に移る可能性は十分にあります。そうならないためにも、今PRできていない日本の観光資源、まだ知られていない地域の魅力を発掘し、インフラを整え、発信し続けることが、観光産業を伸ばし続けるために不可欠だと考えます。
私も正確な予測は立てられませんが、伸び率は緩やかになるものの、10年後もまだ成長は続いているのではないかと考えています。
そして、その成長がどれだけ続くかは、まさに私たち観光業界の各企業が、どれだけ日本の魅力を発信し続けられるかにかかっていると思いますので、当社としてもより一層頑張っていきたいと考えています。
ありがとうございます! 私も10年後の観光業界について、もう一度深く考えてみようと思います!

観光産業の持続可能なビジネスモデル
皆様が思う「観光産業の持続可能なビジネスモデル」を教えてください。
外部環境の影響を受けやすい観光産業を、今後も太く・長く繁栄させていくためには、各観光事業者と地元地域・自治体が連携して、特色ある唯一無二のコンテンツを磨き上げ、観光需要取り込みに向けて協調する必要があると考えています。地域内で業種を越えた人財交流・サービス連携を図ることで、持続可能なビジネスモデルが構築できると考えます。
インバウンドの増加と共に、一部の観光地ではオーバーツーリズムの問題がクローズアップされています。これは土日やGW、年末年始などに旅行需要が集中することで引き起こされている部分があります。当社の事業領域であるMICEは、平日開催も多く、旅行需要の平準化と地方開催が多く観光客の一極集中を避けることが出来るため、持続可能な観光ビジネスモデルへの貢献ができると考えています。
帝国ホテルは迎賓館の役割を担い、社会の要請に応えて誕生しました。その設立背景にある社会性や公益性、社会に貢献するという精神は、まさに現代で求められるサステナビリティそのものだと考えます。
CO2排出量の削減、食品ロス対策、脱プラスチックといった環境負荷の低減に関する取り組みだけでなく、人的資本への投資として健康経営を推進することも、持続可能な観光ビジネスモデルの構築に不可欠だと考えています。
持続可能なビジネスモデルの中でも様々な考え方があるんですね!

観光業界を目指すみなさんへ
どのような会社でも、入社前に業務内容や環境を完璧に把握するのは難しいと思います。そのため、特定の業界や職種に固執して企業選択をすると、入社前に思い描いていたイメージと実際の業務内容とのミスマッチが生まれやすくなってしまうのかなと感じます。
「どの業界か」「どの会社か」という視点だけでなく、「自分は何がしたいのか」を深く突き詰めて考えてみてください。自分のやりたいことや目標が明確であれば、たとえ入社後にイメージと違うことがあっても、自分なりのやりがいを見つけ、乗り越えていけるはずですよ!
観光業界に興味をもってくれるのはとてもうれしいですが、世の中にはたくさんの会社があります。
自分の「やりたいこと」を見つけるために、まずは「好きなこと」を100個書き出してみることをお勧めします! 最初は大変かもしれませんが、絞り出していく中で、自分の価値観や興味の方向性が見えてくるはずです。また、学生時代は、様々な業界の企業の話を聞ける貴重な機会です。興味の有無にかかわらず、多くの会社に足を運び、視野を広げてくださいね!
そして、その結果、最終的に観光業界を選んでくれたらとてもうれしいです!
帝国ホテル初代会長の渋沢栄一は「ホテルは一国の経済にも関係する重要な事柄」という言葉を残しています。この言葉の通り、観光業界は、日本の経済や国際交流に大きな影響を与える、非常にやりがいのある仕事です。この業界に関わることで、皆さん自身の成長にも必ずつながると思います。
次の10年、100年に向けて、皆さんと一緒に、これからの観光業界を盛り上げていけることを楽しみにしています!
本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございました!

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